日本の食料消費の将来推計(2019年版)から考察

1人当たり食料支出額の増加
2019年8月末 、農林水産省より 『 我が国の食料消費の将来推計(2019年版) 』が公表された。報告書によると、1人当たり食料支出額は、加工食品の支出割合の増加等により今後拡大すると見込まれるが、人口減少が1人当たり食料支出の伸びを相殺し、食料支出総額は当面ほぼ横ばい、長期的には縮小すると予想されている。

引用元:農林水産省『我が国の食料消費の将来推計(2019年版)』
この推計は、 国民健康・栄養調査、人口推移や実質GDP成長率などから算出されているが、 概ね食品産業に関わる人々が想像している将来 – 国内食品市場の縮小、加工食品の支出増加に沿った結果だと思われる。
外食、生鮮食品から加工食品へ
報告書でも、裏付けとして、外食、生鮮食品から付加価値の高い加工食品へのシフトが予想されている。
なお、単身世帯では顕著に外食の支出が減り、2人以上世帯では生鮮食品の支出が減り、どちらも代わりに加工食品が伸びると報告書は述べている。

引用元:農林水産省『我が国の食料消費の将来推計(2019年版)』
食品メーカーの将来マーケットの変化
外食、生鮮食品から加工食品へのシフトがより顕著になるという推計は、加工食品メーカーにとって一時の安堵を得られる結果となっていると思われるが、 今後の加工食品業界の内実がどのように変化していくかは保証されていない。
TPPやEPA等の多国間貿易、超高齢化社会は、日本の食環境を大きく変えていくかも知れない。
また、あまりまだ馴染みの無い言葉だが、海外では、バイオエコノミー(バイオマス、バイオテクノロジーによる持続可能な新たな経済社会という概念)を背景とした、培養肉、細胞農業、昆虫食などに取り組むベンチャー企業がヨーロッパ、アメリカなどで多く生まれ、ネスレやコカ・コーラなどの世界的食品企業が熱心に支援している。
最近のプラスチック削減のトレンドも海外から来た。日本の食品市場も海外のトレンドに大きく影響される時代だと言え、国内の要素だけで将来が推し量れるものではない。
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