2023 年 10 月 2 日および 30 日、特定保健用食品（特保）としての承認を受けた製品が公表された。
2023 年 10 月は、特定保健用食品 2 件、疾病リスク低減表示特保 1 件、再許可等特保 1 件が承認された。

【心血管疾患のリスク低減に言及した特保が初めて許可を取得】
マルハニチロ株式会社が申請した「DHA 入りリサーラソーセージω」は、心血管疾患のリスク低減に関する表示許可を受けた疾病リスク低減表示特保である。
疾病リスク低減表示特保において、既存の基準が設けられているもの以外の申請によって表示許可を受けたのは今回が初となる。同製品はドコサヘキサエン酸（DHA）およびエイコサペンタエン酸（EPA）を関与成分としており、これらの成分を豊富に含む食品であるとした上で、「日頃の運動と DHA 及び EPA を含む健康的な食事は、将来、心血管疾患になるリスクを低減する可能性があります。」としている。

【体脂肪が多めの方に適した特保、歩行などを追加する場合の体脂肪減少にも言及】
サントリー食品インターナショナル株式会社が申請した「特茶ｓ」は、ケルセチン配糖体（イソクエルシトリンとして）を関与成分とし、体脂肪が多めの方に適する旨の表示許可を受けた。この製品では、日常の身体活動による脂肪代謝の亢進および体脂肪減少を助けるという表示に加えて「歩行などの活動を日々の生活に追加する時にも、本品を飲用することで体脂肪を減らすのを助けます。」という表示する。

【難消化性デキストリンを含む特保は中性脂肪、食後の血糖値、内臓脂肪について言及】
日本コカ・コーラ株式会社が申請した「からだすこやか茶 W＋」は、難消化性デキストリン（食物繊維として）を関与成分とする規格基準型特保である。同製品は、当該関与成分の働きによって脂肪の吸収を抑え、糖の吸収をおだやかにするとし、血中中性脂肪が高めで脂肪の多い食事を摂りがちな方、食後の血糖値が気になり始めた方に適する旨、さらに、内臓脂肪を減らすのを助けるという保健機能も表示する。

このほか、再許可等特保 1 件を含め 2023 年 10 月に許可を取得した各製品の詳細は以下のとおり。

【2023 年 10 月までの承認状況の概要】
特定保健用食品は特別用途食品の 1 つとして始まり、2001 年に栄養機能食品とあわせた保健機能食品制度が開始された。2023 年 10 月まで保健機能食品制度開始以前の承認製品数と、制度開始後の承認品目数の総計は、失効および撤回品目を除き 1,056 品目となっている（詳細は消費者庁ウェブサイト特定保健用食品許可(承認)品目一覧参照）。

区分別の承認品目数は、特保 449 品目、規格基準型特保 114 品目、疾病リスク低減表示特保 12 品目、条件付き特保 1 品目、再許可等特保 480 品目（図）。

直近 10 年間（2013 年度～2022 年度）で、再許可等特保を除いた承認品目数は、機能性表示食品制度が開始された年の翌年度である 2016 年度をピークとして減少傾向を示している。

2022 年度の承認製品の総数は 14 品目となり、その内訳は特保が 6 件、再許可等特保が 8 件と、再許可等特保許可取得件数がその他の特保の許可取得件数を上回る結果となった。
許可表示をみると、現時点で許可を受けている特定保健用食品 1,056 品目全体では「おなかの調子を整える」機能の表示が他の表示と比較して突出して多い（図 2）。しかし、2020 年度以降に許可を受けた 44 製品のうち、おなかの調子に関する保健機能表示で許可を取得した製品は 5 製品にとどまっている。一方、同年以降は「体脂肪が気になる方に適する」表示（19 製品*）や「血中中性脂肪が気になる方に適する」表示（11 製品*）の許可を受けた製品が多い。
（*一部の製品は 2 種類以上の保健機能表示の許可を受けているため重複してカウント）

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